幻想ー白鳥の湖のように(Illusionen−wie Schwanensee) 132回目の公演 2004年6月23日(水) 

音楽 P. I. チャイコフキー 振付・演出 ジョン・ノイマイヤー
舞台装置衣裳 ユルゲン・ローズ 第2幕の振付はアレクサンドラ・ダニロワの助言を元にレフ・イワノフの振付を再構成
指揮 ヴェロ・ペーン 第3幕のグラン・パ・ド・ドゥの振付はM.プティパとL.イワノフによる
ソロ・ヴァイオリン Stehfan Czermak ハンブルグ・シンフォニカー

現実(Wirklichkeit) 現実(Wirklichkeit)
  オットー・ブベニチェク
影の男  カーステン・ユング
レオポルド王子  セバスチャン・ティル
アレクサンダー伯爵、王の友人  アレクサンドル・リアブコ
官僚  エデュアルト・ベルティーニ、フォルカー・ブルンズ、ウラディミル・コシチュ、ウィリアム・パートン、アクセル・シュライベル
従僕
第1幕 第2幕
  オットー・ブベニチェク
ナタリア王女、王の婚約者  エリザベス・ロスカヴィオ
アレクサンダー伯爵、王の友人  アレクサンドル・リアブコ
クレ−ル王女  彼の新婦(婚約者)  シルヴィア・アッツォーニ
王の母  ラウラ・カッツアニガ
レオポルド王子  セバスチャン・ティル
カドリーユ  シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ、エレーヌ・ブシェ−、ティアゴ・ボルディン、カトリーヌ・デュモン、アルセン・メグラビアン、アデラ・ポレルトヴァ、ヨハン・ステグリ
貴族  オデット・ボルヒェルト、アントン・アレクサンドロフ、アーニャ・ベーレンド、エミル・ファスクホウトディノフ、リサ・トッド、アントニン・コメスタッツ
棟梁  ピーター・ディングル
大工  ジョゼフ・エイトケン、ロリス・ボナーニ、アントニン・コメスタッツ、ホアキン・クレスポ・ロペス、オーカン・ダン、服部有吉、ヤロスラフ・イヴァネンコ、ステファノ・パルミジャーノ、エドウィン・レヴァツォフ、シルヴァーノ・バロン、ステファン・ブールゴンド、コンスタンチン・ツェリコフ、
娘たち  ニウルカ・モレドーアンナ・ローデル
      ジョージアナ・ブロードハースト、アリソン・ブルッカー、フィリパ・クック、二コール・ハム、アンナ・ホーレット、ゲイレン・ジョンストン、ステラ・カナトーリ、イリ−ナ・クローグリコヴァ、カロリナ・マンクーソ、カーリー・モーガン、エミリー・スミス、ジェイン・スタンディッシュ、ミリアナ・ヴラカリッチ、マリアナ・ザナット−、ディナ・ツァリポヴァ
職人、官僚、従僕、農民
王、ナタリア王女

「白鳥の湖」の出演者
オデット王女  アンナ・ポリカルポヴァ
ジークフリート王子  セバスチャン・ティル
ロットバルト、悪い魔法使い  カーステン・ユング
大きい白鳥  エレーヌ・ブシェ−、カトリーヌ・デュモン
小さい白鳥  アンナ・ホーレット、カーリー・モーガン、アデラ・ポレルトヴァ、リサ・トッド
白鳥  オデット・ボルヒェルト、ジョージアナ・ブロードハースト、アリソン・ブルッカー、フィリパ・クック、二コール・ハム、ゲイレン・ジョンストン、ステラ・カナトーリ、イリ−ナ・クローグリコヴァ、アンナ・ローデル、カロリナ・マンクーソ、大石裕香、アンナ・ラブスツィン、エミリー・スミス、ジェイン・スタンディッシュ、ミリアナ・ヴラカリッチ、マリアナ・ザナット−、ディナ・ツァリポヴァ、アイザワ・ユミ、ステファニー・ミンラー
狩人  ジョゼフ・エイトケン、アントン・アレクサンドロフ、ロリス・ボナーニ、ティアゴ・ボルディン、アントニン・コメスタッツ、オーカン・ダン、ピーター・ディングル、エミル・ファスクホウトディノフ、エドウィン・レヴァツォフ、ヨハン・ステグリ





現実(Die Wirklichkeit) 現実(Die Wirklichkeit)
王、影の男 王、影の男
現実(Die Wirklichkeit)
第3幕:仮面舞踏会
王、ナタリア王女、クレール王女、王の母、アレクサンダー伯爵、レオポルド王子
道化 カーステン・ユングー
    ホアキン・クレスポ・ロペス、服部有吉、アルセン・メグラビアン、ヨハン・ステグリ
コティロン・テュ−レン
》サロンーチャルダッシュ《 
ラウラ・カッツアニガ、セバスチャン・ティル、ゲイレン・ジョンストン、ピーター・ディングル、アーニャ・ベーレンド、エドウィン・レヴァツォフ、フィリパ・クック、アントニン・コメスタッツ、二コル・ハム、ロリス・ボナーニ、アンナ・ローデル、オーカン・ダン、ミリアナ・ヴラカリッチ、ジョゼフ・エイトケン
》ボレロ《 カトリーヌ・デュモン、エミル・ファスクホウトディノフ、ニウルカ・モレド、ティアゴ・ボルディン、アデラ・ポレルトヴァ、アントン・アレクサンドロフ
》蝶々捕り《(パントマイム)
 蝶々 
エレ−ヌ・ブシェ−
 
蝶々捕り カーステン・ユング
 
 オデット・ボーシェール、ジョージアナ・ブロードハースト、アンナ・ホーレット、カーリー・モーガン、大石裕香、エミリー・スミス、ジェイン・スタンディッシュ、ナタ−シャ・ウォルドロン
》Khorovod《 シルヴィア・アッツオーニ、アレクサンドル・リアブコ、ステラ・カナトーリ、ヨハン・ステグリ、マリアナ・ザナット−、ホアキン・クレスポ・ロペス、リサ・トッド、服部有吉、ディナ・ツァリポヴァ、アルセン・メグラビアン
》グラン・パ・ド・ドゥ《 エリザベス・ロスカヴィオ、オットー・ブベニチェク
現実(Die Wirklichkeit)
王、ナタリア王女、影の男

第3幕のサロン・チャルダッシュの時、レオポルド王子(セバスチャン・ティル)が帽子を落として、少しあたふたしていたのですが、それを道化(服部有吉)が上手く拾って、いい帽子だなあ、とでもいうように眺めたり、帽子についた汚れを掃って、恭しく王子に返したのは、終演後有吉さんに聞いたのですが、まったくのアドリブだったとのことでした。いやあ、よかったです。
また、レオポルド王子とジークフリート王子をセバスチャン・ティルが演じることによって、第2幕が俄然面白くなりました。今まではジークフリートを間抜けな王子ダンサー(オデットを王にとられるんですものねーヴィスコンティの“ルートヴィッヒ”にでてくるシェークスピア役者をいつも思い出していました)とだけしか思っていなかったのですが、王とレオポルドとの人間関係の軋轢が見えてきて、踊る人によってこうも違うのね、というよい例でしょう(今まで、レオポルドとジークフリートを同じダンサーが踊ったことがあるそうなのですが、まったく気が付きませんでした)。
この日の圧巻は第3幕の終わりのナタリア王女(エリザベス・ロスカヴィオ)と王(オットー・ブベニチェク)のパ・ド・ドゥで、とても素晴らしかったです。ナタリア王女の哀しみがひしひしと伝わってきました。
また、構成について言及すれば、各幕とも現実の間に回想部分が入り、シンメトリーになっていて、うまいなあ、と感心してしまいます。

(S)